本職こぼれはなし(015)

8月17日の診察など
*暑いさかり、子どもの伝染性膿痂疹(とびひ)が目立ってきた。たいていは、数カ所、皮膚が赤くなったり、表面がびらん程度で済むのだが、中には写真のように、やや広範囲に拡がり、水疱を持つことがある。抗生物質の軟膏や内服をするが、通常の細菌感染よりも治療期間が長い。また、患部をガーゼなどで覆うかどうかも賛否があるようだが、私は基本的に「開放」していた方が、治りは早い気がする。
*本日のLong Tube

引く続き、レクイエム・シリーズ。今日は、バロック期のチェコの作曲家、ゼレンカのそれ。独唱と合唱が響き渡る曲で、鎮魂の意が改めて湧き上がる感じがする。
*この投稿を楽しみにしている人は、まさかいないと思うが(笑)、念のため告知、明日と明後日は、法事のため出かけるので、2日間休載。

8月10日の診療など

*夏休みなので、子どもたちに甲状腺エコーのモデルになってもらった(写真)。「夏休みにしっかり勉強して、2学期は、『あんたの成績、こうじょうせん』、やったらあかんよ!」と言うと、その「シャレ」が分かるまで約3秒(笑)。
*今日のLong Tube
有名なタルティーニの「悪魔のトリル」を含むバイオリンソナタ集、なんだかメランコリックになってきた(笑)。

本職こぼれはなし(013)

7月9日の診療など
*病児保育「まつぼっくり」で、2日前に血液検査したR君、今日は、ほぼ平熱、午前中に保母さんがパラパラと発疹に気づいたという。やはり、突発性発疹だったのだろう。
*健診に来診した青年、胸部レントゲンを見て、「真ん中の白い大きな塊は何ですか?」「君の希望に満ち満ちたハートだよ!」と答える。
*写真は、連れ合いに来た福島農民連からの「暑中見舞い」。原発といい、TPPといい、一次産業を奪うのは、亡国、亡民の企てである。

大阪きづがわ医療福祉生協設立総代会での挨拶


 本日、6月24日、大阪きづがわ医療福祉生協の第1回総代会があり、頼まれて挨拶をしました。それに、若干の加筆したのが以下の文章です。
 別に、話を大きくする意図はありませんが、今の時代が、未来に微かな希望の光りが見えているとはいえ、それにもまして、暗雲も立ちこめるといった混沌の時代であります。また、100年、200年に一度というべき激動の時代が始まるのではとも思っています。
 ここで、時間軸を200年くらい遡ってみると、この総代会の会場の周辺は、大坂商人の町家が立ち並ぶ殷賑の地、経済・文化の発信地であったことが知られています。その中では、今はもう会場横に記念碑としか残っていない、木村蒹葭堂という「あきんど」が作り上げた、一大サロンは特筆すべき歴史的伝統です。詳細は、今秋に企画されている大阪市西区の史跡ツアーにゆずるとして、木村蒹葭堂から私たちが学ぶことは、単なるサロンにとどまることなく、見事なまでに、人と人とのつながり、ネットワークを作り上げた先人がいるということです。私も、その知のネットワークの一端に参加するべく、さきほど隣の中央図書館で図書館カードを登録してきました(写真)。
 こうした歴史的伝統を破壊し、人びとのつながりを断ち切ろうとしている為政者をいだいている所に、現在の大阪の大きな病弊があると思います。
 さて、3月11日以降、医療生協も震災被災地の人びととのさまざまなネットワークを作って来ました。私も、「最後のご奉公」として、何らかの形で支援活動に参加したいと意を新たにしているところです。この総代会の場にふさわしい表現ではないかもしれませんが、今から100年、200年経てば、私たちは歴史の闇に消え去るでしょう。木村蒹葭堂がそうであったように、形あるものはやがて潰えることにもなるでしょう。しかし、人と人との確固としたつながりは、やがて歴史的伝統として受け継がれることでしょう。混沌とした今だからこそ、歴史を一歩でも二歩でも前に進めるべく、ともにがんばりましょう。